今回は「ご褒美」のお話です。
自分にご褒美をあげるのは
どんなときですか?
何かを頑張ったとき…
特別な日…
色々あると思います。
ここでは
ご褒美=快感情を生み出すもの
と考えてください。
例えば、
- お金
- ゲーム
- 美味しい食べ物
- 「できた」という成功体験
- 「嬉しい」や「楽しい」と思う体験
などです。
モノだけでなく体験もご褒美になります。
目標を達成した後に嬉しいことが
待っていると思うと、モチベーション
があがりますよね。
それがあるから頑張れるという方も
いるのではないでしょうか。
心理学の世界ではご褒美を「報酬」と
言います。
ご褒美=報酬
ちょっと硬い感じですね。
実は、報酬の在る無しは自己実現と
大きく関係しています。
なぜなら私たちの行動は
「報酬によって作られている」
と言っても過言ではないからです。
だから、
「苦手を克服したい」
「目標を達成したい」
などの願いは報酬をうまく使って
あげると成功率はグッと高まります。
しかし、使い方を間違うと効果が
でません。
私はご褒美システムを勉強に組み込んで
勉強嫌いを克服しました。
そして、習慣化できました。
今では、望む未来の実現は
ものすごく頑張って、やっと
手が届くような遠いものではありません。
もちろん、劇的に近くなったとか、
楽勝になったとか
そんなことはありませんよ。
でも、やることをやっていれば、
そのうちにやって来るくらいの
地味なものになりました。
あまり夢の無い表現ですが、
現実として感じられるように
なったのだと思います。
だけど、最初から上手くいったわけでは
ありません。
ここまで来るのにたくさん
失敗しました。
その辺も後述しますね。
私の成功例や失敗談を踏まえて
「自分ならどうするかな?」
と考えてみてください。
【この記事を読むことで】
- ご褒美を効果的に使えるようになる
- ポテンシャルを引き出せる
- 挫折無しで望む未来に近づける
【この記事を読まないと】
- ご褒美の使いどころがわからない
- 諦めやすくなる
- 自信が持てない
それは解説します!
人間の大原則とご褒美の関係
人間を含む動物の行動の大原則は
「快を求めて不快を避ける」
というものです。
シンプルイズベスト!!
人間の場合はちょっと複雑で、
あえていばらの道を行くことも
あります。
だけど、いばらの道を進んだ
先には何かしらのメリットが
あるはずなんです。
リスクを負って成功を掴みに行く
感じですね。
そんなわけで、誰もが何かしらの
「報酬」のために日々頑張っています。
実は、一見すると何の報酬もないような
思考や行動にもちゃんとメリットが
あるのです。
例えば、私がスーパーで働いていた時の
ことです。
コーチングができる先生がいたので、
その方に
「大学院に行きたいんですけど、
試験に受かる自信がなくて、
チャレンジする勇気がないんです。」
と相談しました。
そしたら、その先生は
「コーチングではすべての行動には
何らかのメリットがあるという
考えがあります。」
「ゆきさんは『自信がない』と思うことで
どんなメリットがありますか?」
と聞かれました。
難しい質問でした。
チャレンジせず、消極的でいることに
何の利点もないと思っていたからです。
でも、よく考えたら
「挑戦を避ければ安全な場所にいれる」
というメリットがありました。
受かるかどうかもわからない不安定な
場所にいるより、スーパーで働き続けた方が
安心して生きていけます。
消極的でいることで「安心・安定」を
得ていたのですね。
「自信がない」という言葉の裏にはこんな
心理が働いていたと気づきました。
そして、このままスーパーに居続ければ
本当に一生安泰なのか考えてみたんです。
答えは「NO」でした。
だから絶対にここを出て大学院に入り、
心理職としの道を歩んでみようと
決心しました。
冒頭で、
「私たちの行動は
報酬によって作られている」
と言いました。
だからこそ、自分が本当に望む
状態を作り出すためにご褒美を
上手く使う必要があるのです。
報酬(ご褒美)の役割
自己実現と切っても切り離せない
報酬ですが、2種類の役割があります。
- 望む行動を増やす
- 辞めたい行動を減らす
①はわかりやすいと思います。
例えば、
「30分ランニングしたら豆腐スイーツ
を食べていいことにする」
など継続したい行動を増やす役割です。
②いらない行動を減らす、というのは
何かを「しなかった」ときにあげる
ご褒美です。
例えば、
間食をしなかったから、晩ご飯に
デザートを食べるとか
平日はゲームを辞められたから
土日はゲームをしていいとか
辞められたり、我慢できたことにご褒美を
あげて、辞めたい行動を減らす役割です。
心理学の実験でわかっているのですが、
勉強でもダイエットでも
「頑張らなきゃ」
と思うほどサボりたくなるし
食べたくなります。
制限されるほど、その行動が魅力的に
なるんです。
例えば、私は勉強の合間に
YouTubeに逃げる癖がありました。
一度逃げると1時間は戻ってこれないので
本当に困りました。
だから、
- スマホを別の部屋に置く(環境づくり)
- 決まった時間勉強できたらYouTube
を見ていい - 5日間連続でできたら土日は
1日中好きなことをしていい
のように環境づくりとご褒美を
組み合わせました。
そうすると、逃げ癖がなくなってきて
本当に優先したいことに取り組める
ようになりました。
有効な「罰」の使い方
罰と聞くと、悪いことのような
イメージですが、少し違います。
罰とは、あえて不快感を与えること
です。
そんな罰にもご褒美と同じような
役割があります。
- 優先したい行動を増やす
- 辞めたい行動を減らす
ただしご褒美とは違って、使い方には
注意が必要です。
①優先したい行動を増やす
例えば、勉強しない子どもに対して
親が
「勉強しなさい!」
と怒ったとします。
そうすると、子どもは渋々と
勉強を始めますよね。
怒られたという不快感が
勉強に向かわせたのです。
でも、自分自身にこれをやるのは
お勧めしません。
なぜなら、嫌々やらされる行動は
継続が難しいからです。
だから、望む行動を増やしたいときは
ご褒美を使ってくださいね。
罰が有効に使えるのは②の方なんです。
②辞めたい行動を減らす
例えば、勉強中にYouTubeを
見る行動を減らしたいとします。
本当はスマホを遠くに置くのが
一番ですが難しいときもありますよね。
そしたら、見てしまった時の
罰(ペナルティ)を考えるんです。
例えば、
- 見れないように設定する
- 罰金として親に1万円払う
などです。
ちょっと極端ですが、キツイくらい
でないと罰にはなりません。
私は実際に親に
「勉強中にゲームやYouTubeを見たら
1万円払う」
という約束をしました。
そして、一回破ってしまい
ちゃんと1万円払いました。
あれは悔しかったですね(笑)
それ以降は、スマホを別の部屋に置いて
勉強してました。
そして、1日のノルマを達成したら
晴れて楽しく遊んでいました。
罰はご褒美と比べて強制力があって
本気度が試されます。
自分で自分に罰を与えるので、
もし破っても無かったことに
できるからです。
ご褒美と罰の使いどき
前半ではご褒美と罰には
どんな役割があるのか解説しました。
ここからは、どのタイミングで使うのが
効果的かお話します。
お勧めのタイミングは
具体的な行動や努力に対して
与えることです。
例えば、
- 〇時間勉強したらお菓子を食べていい
- 〇日トレーニングできたら欲しかった
服を買う - この資料を完成させたら思いっきり
遊ぶ
などです。
できたかできないかハッキリと
分かるものですね。
チェックポイントをいくつも作って
ご褒美をこまめにあげると良いです。
そうすると、脳が
「この行動をすると良いことが起こる!」
と学習してくれます。
私はこの方法を使って勉強の苦手を
克服しました。
例えば、
- 机に座ったら褒める
- ノートを開いたら褒める
- できたところを褒める
- 失敗を次に活かしたことを褒める
- 問題集が1ページ終わったら
好きなことをしていい
など、快感情を与えまくりました。
「お前はできる子だ~」
と洗脳するレベルです(笑)
苦手意識は過去の不快感情が
起こしている思い込みです。
だから、いくらでも新しく
上書きできるのです。
罰は本当に直したいと思うものにしか
使いませんでした。
そもそも、逃げたい、辞めたい
という気持はその根っこに
何かしらのストレスを抱えています。
例えば、取り組んでいる問題が
難しすぎるなどです。
実力以上のものを課して、処理
しきれなくなっている
場合があります。
そういう時に罰を与えるのは得策
ではありません。
問題の根本を見直して、一段下のレベル
からやり直しました。
単純な惰性で逃げてしまう時だけ
罰金制度などの罰を使っていました。
ご褒美を与える時の注意点
具体的な行動や努力に与えよう
と言うことです。
結果に対してご褒美を与えるのは
お勧めしません。
例えば、
- テストで合格点を取ったから
ご褒美をもらう - 〇キロ痩せたから
お気に入りの服を買う - 仕事の業績が良かったから
お祝いする
などですね。
よくあることですし、達成感を
味わえるので、決して悪くは
ないんですよ。
でも、結果は不確実ですよね?
いつ・どれだけ頑張ったら、この結果が
得られると言い切れないのです。
私は中学生の時に
これで失敗した
思い出があります。
苦手だった社会のテスト勉強を
ものすごく頑張った時のことです。
何回も問題集を繰り返し解いて
完璧にできるくらいに
なっていました。
「80点くらいは取れるでしょ!」
と思っていました。
だけど、結果は60点でした。
あまり勉強しなかったときと
変わりませんでした。
「あんなに頑張ったのに、
私の努力は無駄だったの?」
と中学生ながらショックで…(泣)
80点を取って自分を褒めるイメージ
ばかり持っていたので、見事に
打ち砕かれました。
それ以来、本当に社会が嫌いに
なってしまいました。
仕事やダイエットなどもそうですが、
努力と結果は釣り合わないことがあります。
実は、結果の出来次第でご褒美をあげるか
どうかを決めるって、あまり意味が
ないんですよね。
社会のテストで思うような点数が
取れなかった、中学生の私が
やるべきだったのは、
- 苦手な社会の勉強を頑張ったことを
褒める - 何回も問題集を解いたことに
ご褒美をあげる - 80点に行くまでに何が足りなかったか
振り返る - 失敗を活かそうとする姿勢を褒める
だったのです。
結果より過程が大事と言われる所以も
ここにあるんですね。
もちろん、今でも多少は結果に一喜一憂
してしまいます。
でも、前みたいに嫌いになって
自暴自棄になることはありません。
問題の本質はそこにないことを
知っているからです。
失敗から次につながるものを
見つけられなければ、苦労が
水の泡になってしまいます。
結果の見直しをしてからが
本当のスタートだと思っています。
問題を解決するための努力や行動
にこそ、ご褒美をあげる
意味があるのです。
まとめ
効果的なご褒美の使い方を
解説しました。
ポイントは以下のとおりです。
【ご褒美と罰の役割】
- 望む行動を増やす
- 辞めたい行動を減らす
【罰の使い方】
- 罰を与える前に、「逃げたい」「辞めたい」
の背景にある問題を解決する - 罰を与える時は「もうしない」と
思えるくらい強いものにする
【ご褒美をあげるときの効果的なタイミング】
- 具体的な努力や行動に対して与える
- チェックポイントをいくつも
作ってこまめに与える
ご褒美の中身について正解は
ありません。
「頑張ってよかった」と
感じられるものにしてください。
このブログでは、夢を叶えるとか、
自己実現とか、望む未来を手に入れるとか
そんなワードが出てきます。
自分で書いていても、
ちょっとくどいかな?
と思うくらいです。
でも、どんな夢も未来も
究極的に突き詰めると
どの行動を増やすのか?
どの行動を削るのか?
この2択の延長線上にあります。
だから、
「今日できることをやって」
「ご飯を食べて」
「寝る」
それでいいんです。